私は自動車をガレージに停めて家の方にあるく。ガレージからでて2mほど歩くと家の一室が見えてくる。見えてくる部屋はほぼ一面のガラス戸で、下半分が模様付きの磨りガラス、上半分は透明だ。

ガラス戸の透明の部分から母の顔が見える。部屋の中のソファに座った母が私の方を見ている。誰がきたのか確かめるといった感じではない。私が視界に入ってから家の方へ近付き、そのガラス戸の前を通って見えなくなるまでずっと、じーっと見ている。

私はその視線と表情がたまらなく嫌だった。

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